The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

ちょっとカメラの話し

久しぶりに書きたくなったのでちょっとだけ。

このカメラはライカM5。誰でも知ってる有名なメーカーです。1913年から現在の35mmカメラシステムを作りあげた会社で、要は初めてクルマの量産に成功し自動車のパイオニアになったメルセデスベンツのようなもの。このM5は1971年製でライカ社で初めて露出計を内蔵したモデル。興味のない人にとってはなぜこんな古いものに執着するのか分からないでしょうが、写真は道具によって質を左右されやすいものなのです。中でも一番左右されるものはレンズで、レンズが変われば作風が変化したり作風が変わればレンズを探すことになったりもします。そしてボディには何を撮るか(撮影ジャンル)によって向き不向きがあり(もちろんレンズにもあるが)さらに使いたいレンズが使えるボディかということも考慮しなければならない。では、最新型と古いものではどうなのかと言うと昔のレンズのほうが描写が柔らかいとは言えるでしょう。因みにこのM5に付けているレンズはズマロン35mm/f3.5でして1960年製。モノクロフィルム時代に設計されたレンズでカラーで撮ると深い色合いと柔らかさを同時に出してくれます。逆に最新のレンズでモノクロを撮るとシャープではありますがコントラストが締まりすぎたりする場合もあります。その他にも解像力だ収差だといろんなことがあり、そんなことに気付き始めると泥沼に入るわけです。ま、最終的には写真を撮ってナンボですから宝の持ち腐れにはならないようにしなければなりませんが。ワタクシ的にはただいまこのズマロンを試している次第です。泥沼の泥遊びもね、たまには楽しいわけですよ。

Leicam5mono