お茶漬け
あぁぁぁ。美味かったぁ。
それがね、ホテルの目の前の小さな居酒屋に行ったのよ。ちょっと疲れててね、おいしいとこを探す気力もあまりなく、もともと釧路は小さな街なんで期待しすぎてもいけないかなと思ってね。
店に入るとまだ時間も早くお客さんは他には一組だけ。カウンターの向こうにはおばちゃんが一人。その奥の厨房にはもっと年輩のおばちゃんが一人。カウンターのおばちゃんに、入ってそうそうもらったメニューのうち1/3は本日ありませんと説明を受ける。
うーん。今日は大きく店はずしたかなぁ。仕方ないかぁ。と諦めつつおでんとししゃもを頼む。
うまい。
なんだ、わりと美味いじゃん。
鳥ももを引き続き焼いてもらう。
うまい!
かなりいい肉だ!焼き方も炭火にこだわり絶妙なレア。
隣りでは増えてきたお客の一人がおばちゃんと打ち合わせしながら魚の開きのようなものを焼く算段をしてた。聞くとカレイを干したものらしい。なんでもそのお得意のお客の方の予約で3ヶ月前からお店で干していて今日が解禁日となり今から炭火で焼くという。
そりゃあ美味いでしょ。
焼きまで完全に計算してかなり熱いその焼き上がりをすぐに割かないとおいしくないんだとおばちゃんは言う。「あちっ、あちっ」と言いながらおばちゃんは手際よくカレイを解体していく。
気がつけばお店は満席。満席といっても20人もはいるかという小さな店だけど人口17万人、水曜ナカビの釧路で当たり前のように人が集まるサマはおばちゃんおそるべし、である。しかも集まったお客はみな年輩のおじさんたちで身なりからはそこそこの管理職っぽい客ばかり。忙しいおばちゃんに気を使いオーダーもままならないペースになっても客はみな大人しく酒を飲んでおばちゃんの手が空くのを待つ。
ナニモンダ!コノオバチャン!!
最後にお茶漬けを頼んだ。
満席の状態をおばちゃん二人でこなすのだからとのんびりと待つが確かに少々の時間を要した。「待たせたねぇ、ごめんなさいねぇ」とおばちゃんも気を使ってくれる。
!!!
美味い!美味すぎる!!
それはもうお茶漬けではなかった。
昆布やカツオでダシをとり薄口醤油でサラリと味付け。シャケは生を炭火で焼いて.....。
これを一からウラで作ってたのかぁぁぁ!
はらいっぱい。こころいっぱい。
「たるげん」
よろしく。