サーフライダーの夜
オートバイに乗るというと大抵は子供扱いされ、あまりいい印象はもらえない。
仕方ないし、たしかに子供ですが自分の人生にとってはかけがえのない趣味。
趣味?その言葉にも疑問はある。では、今回も何をしに宮崎まで行ったのか。
なぜ、年に2回も飽きもせず行くのか。
昔はオートバイに乗っているだけで楽しかった。
目的地も食事もどうでもよくて、ガソリンさえ入っていれば切れるまで
走っていた。あのときの気分は紛れもなく「Rock」だった。
今回もいつもの友人とわざわざ過酷な道を選び、遠回りして行く。
山間に入れば店はおろか、人も車も出会うことは稀で何もない。
それでも時折、ヘルメットを横に振れば人間が手を付けるのを
あきらめた自然が季節とそれ以上を教えてくれる。
宮崎市内にたどり着けば、筋肉はほどよく疲れて腹もぺこぺこ。
今の自分の年齢では普段食べることのない量の肉をがつがつと食べる。
腹も落ち着くと自然に酒と語らいになる。
腹を割って話せる友と腹を割りすぎだろうと言うくらい語りあう。
知らない街でほろ酔いで、未来に向かうエネルギーをぶつけ合う。
そうすると太平洋の荒い波のように、心が強く柔らかく包み込まれていく。
そんなサーフライドな夜をもとめて、
きっとまた来年も語り合える友と宮崎に行くことでしょう。
「Rock」なオートバイに乗って。