二本の葦束にお泊り
日頃、家で頑張っている嫁さんへのささやかなプレゼントとして本当は初夏に行くはずだったが、当日になって雅展が40度の熱を出しキャンセルになっていた。
今年中には連れて行きたいしあまり寒くなると湯布院は冷えるから雅展のことが心配になるしで忙しい最中だが今回行くことにした。
本来、自分たち夫婦の性分はとにかく出たがりで動きたがり。旅行へ行っても、宿泊先にじっとしているなどありえないのだが子供ができると変わるものではある。「とにかくのんびりしよう」がキーワードになり、しかもその良さがいま分かりつつある。「せっかく遠出して動かないなどなんのために行ったのかわからない」と言っていた夫婦のはずだが。
露天風呂にゆっくり浸かり、美味しいご飯をややのんびり堪能し(雅展がまくし立てるように食べるのでやや慌ただしい)部屋でごろごろして小説を読んだ。なんと有意義なことか。雅展は広い露天風呂やご馳走、なにより初めてのお泊まりに終始目を丸くしながら学んでいた。そして、たった1日のことだが、夫婦でとてもリフレッシュした。ゆとりができて心に大きな水瓶ができたような気分。またアグレッシブに生きていく力を反面で真綿のように柔らかく受け止められる気分。
もしかしたらお宿を堪能したというより家族の愛情というものを堪能できたのかもしれない。ちょっとだけ成長した森家でした。
楽しかった。また来ような。