The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

料理とワインを楽しむ夕べ

今回で二度目になるアルケッチャーノ奥田さんの料理会。
今回は日本ソムリエ協会の会長さんが一緒にワインをセレクトする
という豪華な企画です。
奥田さんの料理は味覚のアート。これ以外に言葉はない。
おそらく豪華なイタリアンの最高峰のようなものが食べられる
のだろうと思って来るとしっぺ返しを食らいます。
美術館に行って1枚の絵に感動して何分もその絵に釘付けになる。
そういう経験と感覚を備えていないと奥田さんの料理は理解しづらい
でしょう。言っておきますが決して無頼漢な方ではない。
たまたまイタリア料理というドアから入り突き詰めていったら
アートに至ったということ。
料理だけでなく自身の人格も磨いてきたということですね。
しかし、そのアートな料理はアートなだけに確かに難解。
「もともとアートとはわかりにくいものだ。わかりやすい
アートなどない」と、言った岡本太郎の言葉通り。
アートは考えさせるものでなければならないわけで
つまり奥田さんの料理もものすごく考えて食うハメになります。

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城南で本気の酒屋を営む「酒ショップアラキ」さん。いつもお世話になっています。
目の前にあるレタスはただの美味しいレタス。箸休めです。これが奥田流。

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これはセコンドの「馬肉のタルタータと栗のリゾット」。もちろんウマイが
この前に出たプリモの「イワナの燻製でサンドした平目にイワナの塩と焦がした
水前寺菜、村さんの鱸(スズキ)のレモン締め添え」が私に大ヒット。
また涙が出るとこだった。写真撮ってない。

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「熊本赤茄子と鮎のオーブン焼き」

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「いやこれはどー見てもイタリアンじゃなかろ。たしか何年か前に産山の釣り堀で
食べたごたー?」と、言ったかどうかはわからないが、難解な奥田さんの鮎料理に
首を傾げながら食べる中学2年生の百花(もか)ちゃん。ちっちゃな頃から見ている
私は、「大きくなって美人になったなぁ」と、感心しながらだったので鮎を何も考えずに
食ってしまった。

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「通潤乙女ねぎの根元と鴨のロースト、クミン風味」
鴨が上質で味が濃いのでネギの根っこの癖のある味と絶妙な組み合わせでした。
今回の奥田さんの料理で一番分かりやすかったかな。美味すぎます。

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南の国の王様みたいなこの人がソムリエ協会の会長さん。
懐の深ーい体型と心持ちを備えたとっても優しい方。こんな方が会長ってステキです。
また、今回合わせていただいたワインもこの方の性格そのもののようなワインでした。
料理の邪魔をせずすっと落ちるようでいてちょっと心に残る、そんな感じ。
フルコースにセレクトする難しさと奥深さも同時に教えてもらいました。

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一番左が奥田シェフ。右の4人は熊本の方々。それぞれお店を持つシェフですが
今回は奥田シェフにアシスト。皆様お疲れ様でした。