The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

写真でもない、コピーでもない

 先週、山口県立美術館に行ってきました。
吉村芳生さんの個展「とがった鉛筆で日々をうつしつづける私」がどうしても観たくて最終日になんとか滑り込んだのでした。

 鉛筆1本での表現とは到底信じられない驚きの描写と根気にただただ圧巻!家族連れも大勢いらっしゃってましたが、大人から子供まで「えぇ!これ鉛筆で書いたの!?」と、驚愕の声があちこちで聞かれ、現代アートの中でもこれほど伝わりやすいものもなかなかないなぁと、考えさせられました。会場にあった「写真でもない、コピーでもない」のコピーがとても当を得ていて、「なぜ、ここまで苦労してまで写真と見間違うような絵を鉛筆でわざわざ書くのだろうか?」と思わせます。その疑問こそが現代アートの入り口。そう思ってしまったときから既に吉村さんの世界に引きずり込まれているわけです。すごいなぁ。
興味がある方はこちらのHPで見てみてください。

 いやぁ、行ってよかった。熊本にもぜひ来てほしい作家さんでした。

Scan509

Scan504
zuiko 28mm f2.8 / Fuji RAP

触発されて、ロビーに置かれた色鉛筆でお絵かきする子供たち。アートがこうやって伝わるのは、とても望ましい。