The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

浸水からの復旧

1ヶ月かかってようやく8.12浸水による被害の復旧ができました。

あの日は朝6時半過ぎ、何気に起きてfacebooktwitterを見るとフォロワーさんが大雨について想像以上に語ってらっしゃって、避難勧告という文字まで目につきました。マンションを閉め切って寝ていたため全くその激しさに気づいておらず、ソーシャルを見てようやく熊本市内が大変なことを知りました。そして、よくよく避難勧告地域に目をやると自分の住まいの住所が入っていました。

これはただ事ではないと家を飛び出して、目の前の白川を見るとぞっとするほどの濁流とともに増水し、水かさはもう10cmほどで我が家が冠水しそうなレベル。やばい!ウチには4歳の子供と臨月寸前のお腹の嫁さんがいます。僕は小さな頃から熊本市内の水害に何度かあっていてその怖さを知っていたので、溢れ出すときの速度と低い水かさでもどの程度足をとられるかが容易に想像することができました。お腹の大きな女性や小さな子供ではまず歩けません。そして、二人を一度に助けるのも無理。

「15分以内に家を出るぞ!!」寝ぼけ眼の二人を文字通りたたき起こして、財布程度の貴重品を持ってとりあえずクルマに乗り、仕事場へ嫁さんと子供を避難させました。

仕事場へ着くとスタッフも出ていたので、一往復だけでも他の貴重品を引っ張り出したいと思い、クルマに男手を増やし、また自宅へ戻りました。しかし、その往復1時間で水は瞬く間に冠水。家に近づくどころか、道路が冠水してロープが張られ近づくことさえできませんでした。

それから約2時間後、近所の人から「とりあえず水が引いたから今なら家に入れるよ。」との電話をいただくまで家族でファーストフード店で時間をつぶしている間の心細さ。どうにかなるさ、とは思っているものの、先の見えない状態、そして何もできない無力さを噛みしめながらの時間つぶしには、水の怖さ、自然の力を改めて思い知らされました。

幸い、ウチは床上10cmまで来ていたもののマンションのドアや窓に守られ、屋内への冠水は最小限に免れ、家財道具もほとんど無事だったため1ヶ月での復旧ですみましたが、我が家からほんのちょっと上流の地域では甚大な被害となりました。

今回のような怖い目にあえば、簡単に「自然と向き合う」とは言いがたいのも事実。また来年の梅雨時にはこの記憶が蘇り、怖くなったりもすることもあるかもしれませんが、街中に住みながらも普段は川の風を感じながら、自然が大好きな僕ら夫婦へ大きな恩恵ももらっています。

ご心配をおかけした方、また浸水当日にお電話をいただいていたのに、とうとうお返しの連絡もできなかった方々、大変失礼しました。皆様、ご心配をおかけしました。

まずは綺麗になった庭を手入れしながら、成すように成るように生きていこうと思います。

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