牛深の同級生、勝三から突然「兜を撮影してほしい」と、電話があった。
聞いてみれば、勝三の節句の祝いに叔父が全て手作りで仕上げてくれたらしいが、今回その叔父さんが入院することになるそうで写真をプレゼントして、少しでも元気になってほしいとのこと。
勝三がスタジオまで持ち込んだ、これまた手作りの1mもあろうかという黒塗りの木箱から出された兜はとても立派で、本家の長男に対する愛情が痛いほど伝わり、隣りにいる未だ独身の勝三を見ると、やや哀しくなってきたが、とにかくきちんと撮影してあげようと気合いが入った。
兜の目がなんとも愛らしい。
叔父さん、元気になってください。
勝三、頼むぞ。