The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

My XT500

G310GSが、改めて僕に教えてくれたこと。

シングルエンジンの面白さ
絶対速度に関わらないスポーティなフィーリング
軽量アドベンチャーだと、ロードもダートも楽しめること
旅好きの僕に異次元のスピードはもういらないこと

僕にとっては、最高にバランスがとれているバイクだった。G310GSで学んだことを、終焉となるオートバイにも求めながら、一生付き合えるほどの別の愉しさも味わっていきたい。

そしてそれが、1977年式のYAMAHA XT500になった。
今回はそのXT500を付け焼き刃の知識で紹介します。

エンジンの面白さは、SR400の元となったXT500なので言うまでもなく、トルク型の空冷シングル500ccは、高速道路で手が痺れてキツイということはあっても、エンジンが退屈なんてことはありえない。
高回転まで回せば、まるで挑戦しているかのような振動をかましてくれるけど、5速、1500rpmから上り坂を息継ぎもせずに回転を上げてぐいぐい登っていく様は、低速でも楽しめる感覚派エンジン。

購入決断前にネットで諸先輩方の記事を読みあさったことを真似て書かせていただくと、1976年に発売されたXT500は、アメリカで当時流行りのダートトラックレースに参戦、これまた当時大スターのケニーロバーツを破って優勝。この後、ケニーもXT500に乗る。
一方、ヨーロッパで流行っていたのはラリー。第一回パリダカに参戦して1、2フィニッシュ。第二回は1位から4位独占。
日本では鈴鹿8耐の前身、1000ccクラスが主流の鈴鹿6耐に参戦して綜合6位。筑波の第一回バトルオブツインではブロックタイヤのまま優勝。(諸先輩の引用です。ありがとうございます。)
と、素晴らしい活躍をしていたとのこと。今ではとても速いとは言えないけど、そのスポーツフィーリングは十分に感じ取れて、ワインディングもとても面白い。しかし、これでレースに出ていたということは高回転開けっ放し。みんな痺れてただろうなぁ。

乾燥重量たったの139kg。
軽くて楽しかったG310GSより更に約20kg軽い。

シート高は835mmとG310GSと同じ数値。
だけど、昔のトレールバイクはシートのスポンジが15cmくらいはあるものだから、ヘタリもあるのだろうけど、座るとそれが半分近く沈み込んで両足がべったり。

ちょっとダートに入ってみたけど、軽快さと太いトルクで笑うほど楽しく走れた。

最後にメンテナンス。
エンジン関係の部品は未だにSR400が生産されていることもあって、ヤマハからほぼ部品がとれる。なんでもヤマハにはまだXT500の純正ブランクキーがあるらしい。
また、海外で驚くほど人気になったXT500は、現在も各国にファンクラブが存在していて、相当な台数が生き残っている。これがマーケットになるようで、ドイツのメーカーが外装など必要な部品を製造販売している。
既にネットで1977年型のハンドル、ミラー、グリップなどを発注、約10日で届いた。今はタンクを何年式のデカールで仕上げようか、悩み中。

と、旧いバイクだけど、フィーリングや個人的趣向もフィットして部品も安心、構造がシンプルだから、メンテ自体も自分で出来ることが多いなど、乗る、イジる、眺めるの全てを愉しめそうなので決めた。個体もとても良いバイクに出会えて走りは快調。だけど、隅々まで見ると、経年で傷んでいる箇所もあり、やりたいことは山積み。

これからアナログをたっぷり満喫しようと思う。

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昔のヤマハのバイクは本当に美しいと思う。それだけで大好きなんです。