京町1丁目の夕日
幼稚園の夏休みだったろう。
田舎の叔母に預けられたわたしはほぼ毎日3kmほど離れた食料品店まで
叔母とわたしと、首輪だけで奔放についてくる雑種の犬と3人で
畑のあぜ道を買い出しに歩いた。
ほどよく年寄った叔母と小さなわたしでの往復は夕方の時間をしっかりと費やした。
隣の、といっても畑5,6枚分は離れている農家から
好意でスイカを分けてもらったときなどは
傾きかけた太陽でも十分にスイカが生暖かくなった。
買い出しの記憶は楽しい思い出ばかりでその中のひとつが
食料品店で褒美に買ってもらうお菓子。
今とは比べ物にならないほど種類が少なかったがどれを与えてもらっても満足だった。
夕方、自宅の近くのコンビニに寄ると「続・3丁目の夕日」の企画で
昔のお菓子が復刻デザインで並べてあった。
むず痒い懐かしさを感じて少しだけ買った。
包みを空けて食べたらきっと、お菓子の味よりも昔の記憶の味がするかもしれない。