The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

決意

昨日、母が倒れた。

待ち合わせの時間に我が家にこなかったので
しばらくして母の家に行ってみるとうつぶせに倒れていた。
この春から一緒に住もうと言っていた矢先に。
救急車を呼び、日赤に運び込まれ、精密検査をした。
脳卒中だった。
1日経過を見て比較的簡単な手術で済むか大がかりになるかを
判断すると担当医に言われた。
ベッドに横たわる意識のほとんどない母に声をかけてあげて
くださいと医者が私に言う。
声をかけたい。返事なんていらないから心に声が届けばいい。
「何も考えずゆっくりお休み。俺がいるからなんも心配いらんから。
はやく元気になって家に帰ろうな。」
胸が詰まって声が出ない。言いたいのに出ない。
ただ、手を握り、涙を流し、心の中で祈るだけだった。
あんなに元気で強がりな母があまりにも弱々しく横たわっている
姿に胸が引き裂かれそうだった。

今日、手術をした。
最悪の事態は逃れたのか、まだ予断は許さないが
医者の話は比較的、わたしをほっとさせてくれる内容だった。
これから数日、意識の回復を確認しながらゆっくりとリハビリの行程に入る。

みなさんに今日のブログを読んでもらうのは少々心苦しい。
なぜならこれは、自分に対する決意表明だからです。
これから精一杯、たった一人の肉親である母に親孝行しながら
嫁さんや産まれてくる子供みんなで幸せになろうという思いを
あらわにしたかっただけなのです。
脳卒中は現在決して珍しい病気ではない。
高齢の方には誰にも起こりえるかもしれない。
それでも自分の家庭に降りかかれば地球の裏側の戦争より
自分にとっては一大事だった。
命、家族、愛。
それらを深く鋭い痛みをもって考えさせられる2日だった。
この痛みを忘れず、前向きに幸せを目指して行こうと思う。
そしてこの愛のありようを心に据えてこれからも写真を撮り抜いていこう。
大切なことが少しでも誰かに伝わるように。