ピクトラン
インクジェット用高品質紙のピクトラン。
素材はなんと和紙なのですが、各写真家さんの
評判を聞いてテストしてみました。
紙は厚手で少しだけ生成っぽい色。
光沢もあり、表面には確かに和紙の
毛羽だったようなものが見えます。
プリントする前はどう出るのか想像がつかなかった
のですが出力してみて理解しました。
まず、黒が漆黒と言ってよいほどよく締まります。
吸水性がよくアンダー部分をより濃く見せるのでしょう。
だからといって、コントラストを上げて出力したような
無理のある絵ではなく、プリンターが8色なのもあり
階調の明るいところまでなめらかにトーンが生まれます。
とりあえずテストで出力した印象では全体に色濃く感じましたが
(特にカラープリント)これがこの紙の特色なのかもしれません。
「濃い」というより、「深い」ということだと思います。
被写体が軽い感じの絵には、この紙は合わないかもしれませんが
デジタルで撮影した画像がもう一度写真に戻るような不思議な紙です。
特にモノクロには相性が良く、よほど腕のある写真家が焼かないかぎり
印画紙を抜いたといっても言い過ぎではないかもしれません。
時代の進化が速すぎる昨今ですが、進化の中にこういった
「本物気質」が製品化される分には大いに歓迎したいところですね。