The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

Ektachrome

2012年3月31日付で、KODAKのリバーサルフィルムが生産終了した。

1900年(明治33年)に世界で初めてロールフィルムを発売し、リバーサルフィルムは1976年(昭和51年)にやはり世界初で発売。KODAK社が写真を作ってきたと言っていいし、美術館に収蔵されているような歴史的名作写真もほとんどがKODAKだろう。

そんなKODAK社が自ら幕を閉じていく様を目撃する時代に生きているというのは劇的でいてなんとも寂しい。もっともリバーサルは主にプロカメラマンが使用していた訳で、仕事をデジタルに移行した僕等カメラマンの責任もある。また、皮肉なのはデジタルカメラを世界で初めて開発したのは他ならぬKODAK社でもある。

「それは時代の流れ」と人はよく言うけど時代は人が作っているはずで、それは分かって流しているのか、それとも流されているのか。願わくばその流れは人が幸福に向かって敢えて作っているのだと思いたいのだが。

写真が大好きな僕がリバーサルの生産終了を憂いてしまうのは単なるノスタルジーなのだろうか。もはや、僕には好き過ぎてよく分からないけど、残ったエクタクロームKODAKのフィルム)を大切に使いながら、フィルムでいい写真を1枚でも多く残したい。そんな素敵な一時代の流れがあったこと記録するために。

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