おんなごころ。
週末は仕事でよそ様の家にお邪魔した。
田舎に住むのは三人家族で若いご夫婦と”おんなのこ”が一人。
家の中を大仰なカメラを持ってウロウロするオトナに
おんなのこは興味津々に付いて廻る。
これが ”おとこのこ”だった場合、興味の行き先は大抵カメラなのだ。
メカニカルな外観とシャッターを押す度に聞こえる作動音は普段遊んでいる
合体ロボット並かそれ以上の関心事のようで、なにせロボットはニセ者だが
カメラは本物なので子供といえどそのリアルさにはかなわないらしい。
ちょっとでいいからシャッターを押してみたい気持ちを抑えながら
なんとかこのおじさんが「触っていいよ」と、言い出さないものかとへばり付く。
では、女の子の場合。
興味の対象はカメラではなくその先にあるもの。
つまり、自分。
その”たいそうなカメラ”で「わたしを撮って!」なのである。
今の世の中は技術が進んでなんでも小型化著しい。
家庭用カメラはコンパクトデジカメで性能十分だしお父さんとお母さんの
どちらが先に言い出すのかは知らないが子供の成長記録を録ろうとすると
主役はカメラよりムービーになる。今どきのムービーなら写真同時記録も
可能だし機能、性能、価格のツボを抑えた賢いオトナの選択は
だいたいその辺に落ち着く。
しかし、オンナゴコロはそうシンプルではない。
Good enoughな賢い選択の末、小型でコストを抑えたプラスチッキーな
DVDカムより黒くて重そうでゴツゴツしていかにも男性的な一眼レフの方が
乙女のハートを貫ぬくのである。
最近は明らかに女性をターゲットにしたプロダクトデザインもよく目にするが
やはりカメラはいつまでも男らしくあってほしい。
そうでないと”おんなのこ”もまた、つまらないはずである。
写したい側の”おとこのこ”と写りたい側の”おんなのこ”。
人間のDNAがそうさせるのだから。
おかげでとってもかわいい写真が撮れました。
ありがとね、また遊びに行くよ。