The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

XT500で高知、四万十川のほとりでキャンプ

今年も海を渡って、四国へ行ってきた。

本当は8月に行く予定だった(G310GSで)のだけど
急にバイクが変わることになり、予定変更。

結果、バイクキャンプには最高の季節に行くことになった。

初日は朝から雨。
カッパ着て、阿蘇→竹田→臼杵からのフェリー。
寒くはない。

船からの海はどんより。
あまりテンションは上がらないが雨はやんだ。

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妄想では、八幡浜港に上陸後は四万十川沿いを楽しみながら、できたら軽く林道にも入りながら、などと思っていたけど、変わらずどんよりの中、山間に入っていく訳で、いつ雨が降るか分からない。そして標高の高いところは冷える。

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相変わらずツーリングに行くとご当地のお茶かミネラルウォーターを買う。


結果、初日は体力を温存しつつ、高知市内のホテルへ直行することにした。

ホテルへ入ると速攻でシャワーを浴びて温まり、一息。
毎度食べずにはいられない鰹のたたきをいただきに街へ。

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これがあるから毎年のように行く。高知の鰹にメロメロ

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四万十川のなんとかエビ。名前忘れた。美味い。

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鰹を食べたらお決まりの屋台。温暖でゆるい高知のこの雰囲気が好き。

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屋台の餃子がなぜか美味い。人気店は何十人も並んでるけどそうじゃないお店も美味いよ。


ダメな夜を過ごした翌日。

すっかり晴れ渡ったのでテンションUp。
高知の大自然を味わいに街を離れる。

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くろしおライン沿いを楽しむ。今回のキャンプ道具はかなり軽装。



軽く高知の海を堪能したら、仁淀川の脇を上がって山間へ。
海も山も川も、高知はどこもいい。昨日のダメな自分を清めてくれる。

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仁淀川下流。ここでもキャンプしたいけど帰りの距離が増えすぎるので今回はパス。

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いつか、あそこでキャンプしたいなぁ。



高知の川沿いはキャンプ場でなくても、場所さえ選べばどこでもキャンプできる。そしてキャンプ場と名の付くところでもほとんど無料。なんて幸せなところなんだ。

仁淀川のほとりにも素晴らしい場所がたくさんあるけど、明日の帰りの時間を計算すると距離が厳しいので、今回は高知西寄りの四万十川に場所を設定することにした。

高知ってめっっちゃ広いから、困る。

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仁淀川中流。ここもいい。どこも混んでない。そして無料。神。

バイクには天国のような高知の道路。
深い山の谷沿い、美しい川を横に見ながらひたすら走る。景色が似すぎてどこを走っているか分からなくなる。

途中の町でお腹が空いたので、鰻をいただいた。
四万十川の天然の稚魚を育てた四万十鰻。美味い!一番安いうな丼でも十分な量。

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四万十町の「うなきち」。小さな町だけどお客さんが並んで待つ人気店。

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天然ではないけど四万十の気分を味わうために鰻をいただく。

 

それから、また1時間ほど四万十川沿いを走る。
場所を探しているうちに夕方になってきた。夏ならまだゆっくり探せるけど山間部で日が暮れるのも早い。ふと通りかかった十和という小さな町で昔の記憶を思い出した。たしかドカティに乗っていた10年ほど前にキャンプした場所だ。
やったことのある場所は色々判断がつきやすい。距離も十分に走ってほどよく疲れているし、今回はここをキャンプ地に決めた。

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四万十川の目の前にとっととテントを張る。

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近くにぽつんとある温泉旅館。夜8時まで温泉のみ可。

テントをちゃちゃっと張って荷物を下ろすと、身軽になったバイクにまたがって温泉に向かった。心の底からゆったりと落ち着く。
都心を離れて澄んだ空気に満ちた四万十川のほとりで気温はほどよく涼しく、山間に静かに暮れていく夕暮れ。この感覚は言葉にはできない。来てよかった。

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温泉から帰ると空が赤く染まっていた。


温泉から戻るとテント内に転がる。今回はかなり身軽にやってきたので道具も少なめでタープも椅子も置いてきた。でも、テント内でゴロゴロするのも僕は好きだ。
ちょっと遅い昼食でお腹もそんなに空いてなかったので、途中のスーパーで買っておいた600円程度の小さな松茸でお吸い物のようなスープを作った。自然の力で心が満たされたので、なんだかこれで十分。

 

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松茸のスープ。香りで満たされる。久しぶりに焚き火のないキャンプ。


夜をゆったりと過ごして、早めに就寝。
明日は午前中の船に乗るためにちょっと早い。最高に心地よく眠れた。

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涼しくて虫もいない。1年に一度くらいしか味わえないキャンプの夜。

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テントの中でゴロゴロ。おやすみなさい。


早朝からちゃちゃっと片付けて荷物を積み込む。荷物が少ないと楽。このスタイルに慣れると、もうミニマムキャンプしかやりたくない。霧に囲まれたちょっと肌寒い四万十川沿いを走って、八幡浜港ヘ向かう。少しもの悲しい帰り道も旅の醍醐味。日常で孤独を味わうのは難しいから、旅はいいのだと思う。

フェリーに乗ると、キャンプをした側の自販機で買ったお茶を飲んだ。

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また、来るよー。