The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

竹富島

竹富島について。

想像を絶する島でした。大きさはレンタルした自転車で30分もあれば1周する小さな島。珊瑚の隆起で生まれた島は山などない平坦な島で、これでは津波が来ればひとたまりもない、という印象。だが実は島のまわりは珊瑚のリーフで囲まれていてかなり先まで遠浅で海岸には普段でも波らしきものはなくまるで湖に浮かぶ島のよう。歴史的にもこの海域に来た大津波からこの島だけ守られた経緯があるらしくそれもまた神に守られた島という伝説があるらしい。島の道はほとんど舗装されておらず、では砂利道かというと珊瑚の砂。以前与論島に行ったときにも聞いたが地面を掘れば出てくるのは珊瑚の砂と珊瑚の化石。だからそれを道路に敷き、珊瑚の化石で塀を組むらしい。島にしてみれば身近な素材の合理的利用法だが旅人には一面真っ白な地面と澄み切った青空のコントラストは現実とは思えない美しさで旅人モードは全開になってしまう。また、島の人々が400年近く守ってきた種子取祭(たねとりさい)という祭りは神をお迎えする神聖な祭りで全国にある収穫祭のように人々のために行う祭りではない。そのため規律は厳しく島の人々は極めて大切にこの祭りを扱う。実際に祭りに入ると2日間(ほぼ48時間)寝ずに祭りを催し神に感謝をする。観光客もその規律は守らねばならず(といっても理不尽なことは何もない)言ってみれば神様の御前でのモラルを守りつつ楽しんでください、というもの。もちろん島の人たちも楽しんでいる。ただ、その楽しみ方が他の祭りとは少し違うだけ。酔ってはじけてバカやってもOKな祭りではなく、そこが神様の御前なのである。むしろ神様とともに楽しもうということだろう。

2日拝見してきたが一言でいうなら「日本一心美しい祭り」。人の心がいつもこうなら戦争は起きないだろう。堪能してきました。もちろん島の澄んだ碧い海もね。

作品「海の森〜未来を知る者たち〜」より(ただいま編集中)

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