怒鳴り声
ぺーぺーのたいして使い物にならない若手の頃から目をかけてもらっていた
コピーライターである法花津(ほっけつ)さんが昨日、引退した。
もちろん私だけが可愛がってもらった訳ではなく、おおよそ熊本出身の
若手クリエイターはみな法花津さんにお世話になっている。
法花津さんの可愛がり方は一言でいえばスパルタ。
怒るというより、怒鳴る。しかもたまに理不尽に。
そんな法花津さんを若手はみな怖いと認識する。でも、怖いのにまた近づく。
仕事が欲しいからではない。法花津さんに認められたいのだ。
昨日、壮行会に集まった約100人の面々はほぼ全員怒鳴られている。
日本一になって熊本を巣立った有名なクリエイターたちも全員。
あんなに怒鳴られたのに集まる。でも、そうではない。
怒鳴られたから集まっているのだ。
薄っぺらい義理で来た人は一人も見受けられなかった。
素晴らしい壮行会だった。
私のスタジオには若手が4人いる。
仲の良い関係業者のところも入れれば若手は数十人はいる。
これからの若手は法花津さんから怒鳴られることはない。
それは残念なことだ。怒鳴れるかどうかは分からないがせめて
法花津さんにリアルに触れられた世代の私は、意志を受け
クリエイターの気概というものを見せていかなければいけないだろう。
それでも法花津さん、まだまだ元気なんですから
たまには私たちを怒鳴りにきてください。
「バカヤローーーッ!!もうちょっとマシな広告つくれねえのかっ!!」って。