Life Exhibition 〜命の展覧会〜
普段は夫とフランスに住む友人がふらりとお土産を持ってきてくれた。
重たいお腹を抱えて。
昔から死ぬほどアートが好きで
気に入った作品を見るためなら地の果てまでも追いかけて
東西南北走り回っていた彼女。
あの頃の彼女の顔は目がいつもキラキラしていて
幾多の作品からもらったパワーでいつも充満していた。
もっと、見たい。もっと、素敵な作品に出会いたい。
いつもアートから何かを求めていた。
いま、その顔はなんとも柔らかで間の抜けた表情になっている。
これが本物の母の顔である。
「間」というものを取り入れた人間の深く強い顔である。
この美しさこそアートだ。
ぼくは今日、1枚のアートを撮影することに成功した。