たまにカメラの話
まずはたまには写真の話。ふだんもちろん色や階調や味などにこだわって撮影していますが、撮ったあとはどうでもいいんですよね。興味の対象となった被写体を自分の哲学の元に撮る。そうすればシャッターチャンスと構図は自ずとその人の表現になる。写真の神髄はそこだけですから。つまりどういう写真が写ったかはその人の組み上げた哲学による(偶然以外)。そもそも何を撮ったか(被写体)も、興味のあるものにしかレンズは向かないから既に自己哲学の表現なんだけど。
さて、私のブログを見る方々に写真やカメラを好きな方が何人いるのかわかりませんが(それもおかしな話だが)たまにはその手の情報を載せるのも使命でしょうか。
最近のお気に入りはリコーGR3。GR1(フィルム)→GRデジタル→GX100→GR3と4代目の使用になりますが、このシリーズ奇跡のカメラです。それも特にデジタルになってから。
焦点距離6mm 撮像素子1:1.7型1040万画素。コンパクトカメラとしてはサイズの大きいCCD(対角線長約10mm)だが、一眼レフと比較すると小さい。だがこの小さなCCDに奇跡のレンズ6mm/f1.9をセットしたことで稀に見る傑作機ができたのですね。
縮小した画像ですが、この広角の引きでサラ(犬)にピントを撮って背景はぼけています。この距離ではf1.9の恩恵を活かしています。サラまでの距離約3m。ふつうここにピントを入れて遠景をぼかすなら50mm以上の明るいレンズがいるでしょう。しかもピントのきているサラのまわりの草も1本1本が線が細くシャープ。解放から絵が緩くありません。
この距離はいわゆる高級レンズならどれでも表現できるレベルですがこれもf1.9で撮影。さらにこれが28mm(35mm換算)で撮影できることがGR3のすごさでしょう。
f2.5で撮影。靴まわりのシャープさと背景のぼけ。逆光に耐えるコーティング。そして立体感。昔は中判レンズでしか表現しにくかった領域です。
自分の写真人生の中でも極めて不思議なカメラ。なんでこんなんが出来たんだろ。