The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

やっと読み終えた

 昨年10月の大阪取材で司馬遼太郎記念館に行ったとき。

 司馬遼太郎記念館は建築家、安藤忠雄さんが設計したコンクリート打ちっ放しの
建物。そのホールの天井に開館から2年ほどして坂本竜馬の像が染みになって
浮き出てきている。あまりのリアルさに鳥肌がたったが、これが司馬さんの本に
かける情熱なのではないかと思うと二重の衝撃があって、是非読みたいと帰りの
空港で第一巻を買った。

 それから3ヶ月経った今日、ようやく全八巻を読み終えた。

 子育て奮闘中?の自分には自宅に帰っても滅多に自分の時間などないから
それこそ合間を見繕っては数ページを読むような日々。唯一読み進むのは取材で
旅に出た先のホテルで、朝早めに目が覚めると朝食の時間ぎりぎりまでベッドで
読みふけっていた。もともと読むのが遅いほうでもあるからなかなか進まなかったが
年末、ついに最終巻まできた。

 これほど時間がかかっても読めたのは「竜馬がゆく」の物語の面白さで、
自分が竜馬の傍らにいるような親密な気持ちでわくわくしながら読み進んだ。
面白くて本を閉じたくなくなるときが何度あっただろう。

 竜馬の最期などは八巻も読んできたので、むしろ読みたくないほどの気持ちにも
なったが、泣いた、というよりもやはりその偉業と生き様にまさに感無量になり、
なぜだか日本人に生まれてよかったとつくづく思いふけった。

 ほぼ毎年オートバイで行く高知がこれからはまた深い気持ちで触れるだろう。
また、竜馬は長崎に相当の縁があることを読んで初めて知ったので改めて
長崎に遊びに行きたくなった。暖かくなったら竜馬の足跡をたどってみようかな。

 たとえばここ

 それにしても司馬さん、あなたは竜馬に負けず素晴らしすぎます。

_dsc66551本の横にある竜馬は函館タワーで福永和子女史にプレゼントされたもの。
やはり人生は型破りに生きていけということか。いつも私のパソコンの前に
飾られている。