The smell of sky

Photographer。知らない土地と、スタンダードが好き。アート、自然、田舎は心がヒリヒリして落ち着く。最近は400年に1度の大地震を経験して新たな悟りを開く。煩悩がある人間はこんなことがないと気づかない。

むしたまご

先日、取材で杖立温泉に行った。

杖立には温泉成分たっぷりの蒸気が24時間噴き出している「蒸し場」
という設備があって、地元の方がそこに蒸したいものを置いて調理できる場所がある。

熊本市内に住んでしばらく経つ杖立の娘さんが
「ねえ、とうもろこしってどうやって調理するの?」と、実家に電話してきたらしい。
杖立では蒸し場に持っていって、10分もすれば出来上がるので蒸し器を使った
調理方法や「茹でる」という方法などを思い浮かばなかったという。

因みにこの蒸し場で調理すると温泉成分が染みこんでとてもおいしいと
地元の人が言うのだ。これは撮影のネタ作りと試食を兼ねてトライせねばと
近くの産直で地玉子を買って、やってみた。

10分でも形にはなるが1〜2時間やれば相当美味しいらしい。
ちなみにこれは温泉玉子でもなく、ゆで卵でもない。杖立ならではの蒸し玉子である。
仕込んだ後は別の撮影に動いて、約1時間3半後に帰ってきた。

出来上がりは石のように熱く、普通のゆで卵のように簡単には冷えない。
10分ほどして殻を剝くと、白身がほんのりと褐色に色づいていた。
剝いたあとに塩を用意していないことに気づいて、そのままいただいたが
美味い!!塩なしでもじゅうぶん味がある。いや、塩はいらないかも。
温泉玉子よりもっと濃厚なんだけど、黄身はしっとりして白身に甘みがある。
ぺろっと3個は食べられるかな。

すげーなー。
身近にも文化はいろいろあるなぁ。

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共同の屋外蒸し場。蒸気は130度ほどらしい。やけどに注意。

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仕込んだ地玉子。そもそもこれも美味かったようだ。

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写真では分かりづらいが、白よりちょっと褐色気味。
小国方面にドライブする方はぜひお試しください。