Tannoyと東京サウンド
友人がアンプとスピーカーについて相談してきた。お店をするにあたって良い音で音楽を提供したいらしく、何か適当なモノはないだろうかということだ。
オーディオの世界は奥も幅もあるブラックホールなので、彼もどこを探せばいいか皆目見当がつかないだろうが、僕も相談されるとけっこう困る。一応、6年前にシステムを揃えた際そこそこ勉強したのだが、結果学んだことはその果てしない宇宙の存在と、音楽を愛しはしても、オーディオへの愛はほどほどにしないとゼログラビティ並みに宇宙で遭難するということだった。
そんな宇宙をいきなりお勧めするのも乱暴だと思い、とりあえず成層圏内の我が家を見回してみたら、日頃使っていないTannoy mercury m1を発見。
10年ほど前にヤフオクで買ったが、その頃にはなんとなく良さが分からずにインテリアとなっていた。
それでも持っていたのは、ホームオーディオとしてのシステムを揃えても、コンパクトなアンプとスピーカーの居心地の良さも忘れられないのが人の心。いつかカムバックするだろうとストックしていた。
とりあえず友人に「安価でほどいいスピーカーが手持ちにあるよ」と、伝えると「それでいい」と言う。しかし、引っ張り出したmercuryがどんな音だったか、よく覚えてもいないのに渡す訳にもいかないので、東京サウンドのValve100に繋いでみることにした。
このアンプ(東京サウンド)は、15年前に真空管アンプに憧れて入門機のイメージで購入したもの。大人しく柔らかいサウンドだが、十分に真空管気分を楽しめるお気に入り。しかし、これも6年前のシステム構築でやや眠っていた機材。
久々に繋いだこのセットは、相性が良く、鳴りもよかった。
東京サウンドも譲ってあげようと思っていたが、どっちも譲るのが嫌になった。笑
余裕のパワーで中低音をぐいぐい押してくるメインシステムもいいが、小さな箱で小粋に鳴らすセットは平日のホンの1時間弱ほどの夜を楽しく過ごすには欠かせないような気がした。
しかし、mercury m1ってこんなにいい感じだったかな。こいつはバスレフが背面にあるから置き方で随分と変わるだろうけど。
とりあえず、いい音にはウイスキーがよく似合う。あっという間にニッカを飲み干してしまった。
さて、譲る気はあるのだろうか。