Steam locomotive
まさのぶ、たっての希望でついにSLに乗る。毎日「えすえゆに、のろぉーね。」と、呪文のように繰り返していたから。呪文も唱えてみるものだ。結果、僕も初めて乗る。SLはいいね。この季節に窓を開けてちょっと煙の匂いのする風を受けながら、ゆっくりと進む景色。何とも言えずいい。何とも言えずいいのだから、これ以上は言わないでおこう。
SLが見えなくなるまでずっと手を振っていた。乗ればなんでも一緒、ではないらしい。彼にも何とも言えない良さが伝わっているようだ。帰りは新幹線で10分で戻った。素晴らしい乗り物だけど、SLの後ではさすがに味気なかった。新幹線はやはり時間を縮めてくれるいい道具ではあっても、時間を与えてくれるモノではないようだ。そもそも10分では感じようもないか。
帰っても、寝るまでSLのおもちゃで遊んでいた。いい夢を見ただろうか。僕なら夢にまでSLが出たらうなされるな。